2026.2.27 令和7年度さんとう北部水稲直播研究会反省検討会に出席しました
新潟県のJAえちご中越管内で開催された「さんとう北部水稲直播研究会反省検討会」にお声がけいただき出席しました。
この地域は平成14年から直播栽培に取組み翌15年に「さんとう北部水稲直播研究会」を設立し、以降、圃場巡回先進地視察、反省会、総会などの取組を通じて会員相互の情報交換、JAや県振興局からの営農・技術指導を受けながら直播の面積の拡大と生産安定化を図ってこられました。
検討会では、松村から「湛水直播の出芽不良要因とその対策」のタイトルで湛水直播における出芽不良について話題提供しました。出芽不良の多くは播種後落水管理の不徹底によるものなので落水の確実な実施が重要。不徹底の場合、前作残渣等の未熟有機物が多いと土壌還元や有機酸発生がひどくなり出芽障害が助長する、苗腐病菌のピシウム菌は土中で種子を座死させるがその被害は播種直後に集中するので落水は一刻も早く行う、などを説明した。
中山委員からは、「近頃伸びている水稲乾田直播の技術的特徴」のタイトルで、愛知県のV溝直播技術、農研機構のプラウ耕鎮圧体系乾田直播などが開発され、面積において乾田直播が湛水直播を上回るようになってきたこと、かつて乾田直播は「水もちの良さ」と「水はけの良さ」という真逆な条件を栽培ステージごとに要求し、これを両立できる圃場が極めて限定的であることが普及の妨げだったが、近年伸びている乾田直播の技術的特徴は播種後の乾田期は表面排水で対処し、入水後の止水は冬季代掻きや表層の強鎮圧で対応することにより、実施可能な圃場が飛躍的に増えたことを話し、普及が伸びている主な乾田直播方式の技術の概略とマニュアル類の入手方法について説明しました。
長岡地域振興局からは「令和7年度の直播の状況について」の話題提供があり、次年度以降の改善方策について指導・提案をされましたが、令和7年度は播種後の土壌還元の傾向があり出芽に影響を及ぼしたのではないかと指摘されました。
農薬メーカーの担当者からは直播用除草剤や生育調節剤等の製品紹介を現地圃場での実証結果などを織り交ぜて説明いただきました。
2026.2.26 滋賀県東近江市で水稲直播に関する講演を行いました
近畿農政局では令和7年度から東近江市において国営農地再編整備事業に取り組んでいます。整備後の圃場では野菜など高収益作目の生産拡大を図りますが、一方で土地利用型作物の水稲は直播栽培を導入し少人数での生産を考えています。そこで、直播栽培の基本と最近注目される乾田直播の技術について講演依頼がありました。
松村からは「水稲直播栽培に取組む心構え」と題し、日本では直播普及の3つの波があったがその全てで直播に求められたのは省力性で、直播の最大の特徴は省力性にあり、この特徴を営農で活用することが重要であることを述べ、技術的ポイントは「出芽苗立ち」「雑草防除」の2点で、これを改善する種播・栽培管理法、除草剤や種子被覆材の開発、品種育成などの進展を紹介し、実施する際は必ず栽培記録を取り、記録データに基づき普及組織等の支援を受けつつ問題の分析、対策立案を行うことが肝要などお話しした。
中山委員からは、「近年伸びている水稲乾田直播の技術的特徴」と題し以下の内容で講演した。平成以降に直播普及面積が伸び最初はカルパー直播など湛水直播が寄与し、V溝直播出現以降は乾田直播も徐々に伸び農研機構のプラウ耕鎮圧体系乾直がさらに押し上げて現在は乾直が湛直を上回るようになってきた。
かつて乾田直播は播種期以降の乾田期の「水はけの良さ」と入水以降の「水もちの良さ」という真逆な条件を要求し、これを両立できる圃場が極めて限定的であることが普及の妨げだったが、近年の乾直の技術的特徴は、乾田期は明渠による表面排水で水はけを良くし、入水以降の「水もちの良さ」は冬季代掻きや表層の強鎮圧で対応することにより、実施可能な圃場が飛躍的に増えた。
普及が進む乾田直播の主な方式の概略とマニュアル等の入手方法を述べ、東近江市で乾田直播に取組む場合、NARO式乾田直播に関してはすでに農研機構と滋賀県が作成した「滋賀県湖東・湖南版」の標準作業手順書(SOP)が公開されているなど紹介した。
今後、要請があれば他の機関とともに当会も事業推進に協力させていただくことを述べました。


